宇都宮市
小学生の時「宇都宮市の水道は日光の大谷川の水を取水して市内まで引いている」と言うことを教わり、今市市に有る『宇都宮市今市浄水場』を社会科見学で行くことになりました。今市へ向かう道すがら「日光街道沿いに点在する小丘上の八角形のレンガ造りの建物が水道を送水するための施設」だと説明を受けました。この建物は【接合井】と言い、日光街道沿いにほぼ平行して敷設された延長約27kmの送水管にかかる水圧を調節するための施設です。起点の今市浄水場 と終点の宇都宮戸祭配水池間は落差が約240 mもあり、水圧を弱めるために標高が30 m下がるごとに接合井が設けられ、全部で6基造られたそうです。1916年(大正5年)より宇都宮市内での上水道の供給が開始されましたが、1949年(昭和24年)に今市地震が発生し、大半の接合井が倒壊する被害を受けたそうです。しかし、この第六号接合井だけは被害を受けなかったそうです。接合井の上屋は赤煉瓦と大谷石を組み合わせた西洋の城郭風の建築物で、第六号接合井は1915年(大正4年)の竣工当時から改築されずに残る唯一の接合井です。2003年(平成15年)に『うつのみや百景』の1つに選定され、2005年(平成17年)には「創設当時の雰囲気を現代に伝えていること、煉瓦造りを基調としながら大谷石という地場産材を用いていること、日光杉並木を背景として地域性にも優れている」と言う理由で『土木遺産B(現存する重要な土木構造物2800選:Bは県指定文化財クラスを意味)』に指定されています。また、2006年(平成18年)には『日本国の登録有形文化財』にも登録されました。現在、今市浄水場の給水エリアは、宇都宮市の石那田町や篠井町などの宇都宮市北西部に変わり、戸祭配水池には他の浄水場から送水されているため第六号接合井の役目は終ったそうです。しかし、今市水系の接合井は他に3基現存していて、今だ現役で稼働するものもあるそうです。第六号接合井は本来の役割は終了しましたが、大正時代から続く宇都宮市水道の歴史を静かに語る代弁者です(^o^)/。。。【宇都宮市水道今市水系第六号接合井】お勧めです( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆