小山市
上三川の普門寺です。開基の上三川城主横田綱親公の墓が本堂前にあります。境内で一際目立つ推定樹齢320年、樹高25.6mのイチョウ(栃木県天然記念物)の実がザランザランと大量です。お葉つきイチョウと呼ばれていてラッパ状の葉も見られました。このイチョウにまつわるお話があります。上三川城主横田綱親公が悪夢をみました。また城の北西あたりのイチョウの老木が毎晩夜更けに奇怪なうめき声をあげて泣きソレを聞いた者は床につくという不思議な現象が起きました。そんな或る日に黒染めの信俊と名乗る僧が上三川に現れ里人に慈悲を施しました。綱親公の耳に入り旅僧にイチョウを供養するよう命じました。僧は懇ろに供養し切り倒しました。するとソノ幹の中から三百数十匹の大蛇がゾロゾロ出てきて草叢に姿を消し城中の異変は途絶えました。綱親公は信俊と名乗る僧に命じて夜泣きイチョウのあった付近の老木を切り倒し寺を建立させました。それが現在のこのお寺です。綱親公、信俊和尚が亡くなって暫く経った頃かつて切り倒した夜泣きイチョウの切株から後葉が出たものがドンドン成長し不思議なことに葉の先に実がなるイチョウが育ちました。それがこのイチョウだというお話です。何とも愛らしいギンナンであります。樹形もイイので秋の黄葉が今から楽しみな古木です。