小山市
足利市文化財特別公開で訪れました。拝殿には明治時代の地租改正絵馬 付地籍図・測量用平板・検尺(足利市文化財)が掲げられております。8種類の図で梁田地区の民衆が明治新政府が行った地租改正を実行している様子で民衆のチームワークの良さが感じられ当時のやり方が伝わってきました。1801年再建された本殿(足利市文化財)には全面に彫刻を見る事が出来ます。彩色鮮やかな彫刻は平成10年に保存修理が実施され2000万円かかったというお話でした。豊かな色合いです。3面の木鼻に上中下と霊獣の頭が飾られておりますが一か所だけ鳳凰と唐獅子の位置が間違っております。伺ったので分かりましたが普通は全部同じ並びだと思いスルーしてしまうでしょう。作り手の遊び心が感じられました。地紋彫が本殿の各所に見られコレダケ豊富にあるのは中々無いそうです。そう言われれば普通は向拝柱ぐらいなので凝った本殿であります。胴羽目には張果老仙人の瓢箪から駒(諺にもなっている)、列子(中国戦国時代の思想家または仙人)で風に乗っている所が描かれているそうです。正し風は透明なので巻物で風を表現しているとのことで全国でも3例しかない大変貴重な彫刻とのお話でした。県内で見られるのは得した気分です。もう一枚には陳南仙人(鉢から龍を出すことが出来た)と胴羽目はオール仙人でまとめられておりました。脇障子には李白(観瀑図)と林和靖(鶴と梅の花を愛した人物)、腰羽目には菊慈童(不老不死の人物で能の有名な演目にもなっている)、唐子遊び(鶴の子)、西王母(女仙人)と中国題材のオンパレードです。その他に魔除けの可愛らしい子猿もアチコチに見られました。二度目の鑑賞でしたが何度見ても素晴らしい作品です。