小山市
子宝祈願、婦人病などに御利益があるので全国から女性がお参りに来られる神社です。拝殿には絵馬、よだれ掛け、赤い腰巻などが掛けられていたり周囲に沢山の金精様が祀られていたりと普通の神社とは違った雰囲気です。水の神を祀った神社ですがイソの霊を祀ったともいわれております。足利の伝説があります。1つ目は五十部小太郎の下働きにイソという娘がおりました。小太郎には4歳の男の子がいて五十部夫妻が出かけるのでイソに子供の面倒を頼みました。イソは子供をみていましたが少し目を離したすきに子供がいなくなりました。ほうぼう探し回ると淵の水底に子供の影が見えイソは飛び込み水中深く沈んで死んでしまいました。子供は淵のそばの松の枝の上で殺されていて影が淵に映っていたそうです。それから淵のそばを通ると女の人の呼び声や引きずり込まれそうになると噂が広がりイソの霊を成仏させようと村人達は神社を建てイソの霊を祀りました。それからは淵での呼び声もなくなったというお話です。もう1つのお話もイソが五十部小太郎の下働きまでは同じです。イソがこの家で働いていた作男との間に子ができました。小太郎は二人を成敗しようとしましたが小太郎の妻が止めて子がいないのでイソの子を我が子として育てたいと言いました。男の子で跡継ぎにしようとしていましたが自分が相続すると思っていた甥が面白くありません。ある日、イソの子が甥の大切な鳥の籠を誤って落とし蓋が開いて小鳥が逃げて行ってしまいました。怒った甥は子を捕らえ石の重りをつけて淵に投げ込み沈めてしまいました。近くの流れで食器を洗っていたイソはその知らせをきき淵に行くと子は見当たりません。やがて水に浮かんだ子供を救いあげようとして飛び込み子を抱いたまま水中深く沈みそれっきり浮かんできませんでした。それから淵の側を通るとイソの姿が現れ手招きをして人を呼び手招きを受けた人は必ず命を失うという噂が広がりました。小太郎はイソを哀れみ山の中腹に祠を建てイソの霊を祀りました。お祀りしてからは淵でのイソの姿も声もなくなったというお話です。小太郎の墓が現存しイソの子の父親である作男が僧になってイソと子の供養をした記録も残っている他に面影はありませんがイソが飛び込んだ淵も神社の下に現存しているとのことで伝説でありながら信憑性が高く参拝後に全快したとの多くの声があることから不思議で力のある神社だと感じました。