小山市
墓地の真ん中に薬師堂があり中に薬師如来様が安置されております。その薬師如来様にまつわる民話があります。とっとめ薬師と呼ばれていた薬師如来様は目の病気の中でも夜盲症を治すのに御利益があるとされ「め」の字を左字に書いた紙を御堂に貼って誰にも見られず帰れば御利益があると有名でした。ご縁日の七月七日には村の年寄り達が念仏を唱え無病息災を祈願しました。医学が発達した世の中になるとお参りする人も減り御堂の前の五・六本の桜も何時しか枯れ御堂だけが昔と変わらず建っているというお話です。現在は御堂は新しく建て替えられております。堂内を窺うと夫婦雛のような形をした二石が視界に飛び込んできました。堂内にあるということは霊石かも知れません。何れにしろ薬師如来様を守護しているように見えます。厨子の中は開け放たれ小さな薬師如来様の御姿がありました。残念ながら暗くて表情は読み取れませんでしたが現在でもお参りに来られる人々が絶えてはいないだろうと感じました。