小山市
会津藩横川関所跡に観音堂(日光市文化財)は建っております。堂内に厨子が安置されているということで中を窺うと金箔が貼られていてソレ以上の奥は見えませんでした。1788年の文書により江戸時代中期に存在していた御堂は関所があった頃は別の場所にあり廃止になった際に移築されてきたと思われます。境内にただ一つ墓が建てられていてソレにまつわる1813年の夏の悲しいお話があります。横川村では関所の近くで盆踊りをすることになり関所の役人も許してくれ老若男女はお盆の日々を思い切り過ごすことができました。ところが盆踊りの人垣が関所の庭に立ち入ったことを会津藩の上役に聞かれてしまい関所の役人はこっぴどく叱られ切腹して責任を全うしました。村人達はいたく悲しみ皆でお金を出し合い役人のお墓を建てることになり会津藩も特別な計らいをもって村人の願いを許してくれましたというお話です。役人の俗名は清水伝左衛門知義といいます。お墓は行き届いていて草一本生えておりません。心の優しい役人として未だに語り継がれ大事にされていることが伝わりました。