小山市
鶏足寺の山門脇に地域の人に大事にされている地蔵尊が祀られる御堂があります。それにまつわるお話があります。昔々朝早くから夕方暗くなるまで一生懸命働く若夫婦がおりました。ただ夫婦には子供はおりませんでした。ある日のこと家の外でお経を読む声が聞こえてきたので外に出てみると旅のお坊さんが家の前でお経を唱えてくれておりました。夫婦はたいそう有難がりお坊さんに泊まって頂きました。お坊さんは夫婦に子がいないことが分かり鶏足寺の山門脇のお地蔵様が霊験あらたかな仏様なので子供を授けてほしいと願をかけてみることを勧められました。早速次の日から夫婦はお参りを始め何度も何度も頭を下げてお願いしました。年が明けて正月を何日か過ぎたある日のこと鶏足寺のお坊様が雪かきをしようと山門まで来ると地蔵堂の所で青い半纏にくるまった赤ん坊が泣いておりました。お坊様が本堂に連れて行って温かい布団に寝かせつけた頃に願掛けをした夫婦がやってきました。お坊様に夢のお告げでお地蔵様が今日子供を授けてくださることを話し赤ん坊を引き取りました。雪の朝に授かった子供なので雪太郎と名付け大事に大事に育てたというお話です。お地蔵様は御堂の中央の一番上に祀られております。花々が手向けられ地域の人々が御堂にマメに来られていることが分かります。お地蔵様は微笑を浮かべておられ握りこぶしにとてつもないパワーが感じられました。今でもお参りに来る人が絶えないお地蔵様です。