【山あげ魂☆★】インタビューvol.4 有限会社黒須鉄工 | みんなで支え合おう!ぐるぐるエール!プロジェクト | 栃ナビ!
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コロナに負けるな!山あげ祭りの精神を今こそ!!

那須烏山市は恵まれた自然環境、あたたかい人々、多数の歴史的文化資源などが充実している豊かな街。そこに住む那須烏山市民にとって、大きな精神的支柱となっているのが「山あげ行事」です。残念ながら2020年は未曾有の新型コロナ拡大のために中止となってしまいましたが、2021年は無観客で無事に開催することができました。

疫病退散がきっかけとなって始まったことから、今こそ知っておきたい栃木県の伝統行事のひとつかもしれません。祭りの形は変わっても、変わらず山あげ魂は市民の心に宿り、継続して街全体で地域活性化に向けた新型コロナ対策を積極的に推進しています。そこで、今回那須烏山市からとちぎを元気にしたい!という想いを持つ、有限会社黒須鉄工代表取締役の黒須正明さんにお話を伺ってきました!



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【第4回目】有限会社黒須鉄工代表取締役の黒須正明さん

筆頭世話人が背負う、1年越しの想いと山あげ魂。

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黒須さんと山あげ祭り

1979年那須烏山市生まれの黒須さんは、昔から仕事そっちのけになるほど大のお祭り好き。22歳から日野町の若衆として本格的に参加するようになり、2014年には当番町の筆頭世話人に就任しました。

2020年、筆頭世話人として挑む2度目の開催はコロナの拡大によって中止。

「烏山の地で400年続く伝統を守り抜き、次の世代に繋いでいくためにも今年こそは何としてでも開催する!」

諦めずに様々な方法を模索し続けた結果、史上初となる無観客・動画配信という方法に可能性を見出します。全てが異例ずくめで手探りの中、開催に至るまでにはどんな背景があったのでしょうか?

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戦後初の中止と史上初の無観客開催

「2020年3月に東京五輪が延期になった頃、山あげの開催も難しいと感じていました。ただ当番町については『大変だがもう1年継続してほしい』と要望があり、どういう状況になるか分からないが頑張ろうと引き受けました。」と語る黒須さん。

中止によって一度当番町を飛ばしてしまうと次の当番町が来るまで12年も期間が空いてしまいます。それまでに経験者を1人でも増やしておくことが重要だと判断した黒須さんは、実行委員会や市役所、6町の筆頭世話人で話し合った結果、無観客で祭りを実施することを決断。YouTube配信を活用した史上初の試みとなりました。

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※記念撮影のためマスクを外しています。

伝統を守り、継承していく意味

なぜそこまでして開催にこだわるのか、黒須さんに尋ねるとこう答えてくれました。

「祭りを通じて世代を超えた"つながり"ができる。それがいざという時に助け合える"つながり"になるんです。」

未曾有のウイルスによって人のつながりが分断された今の時代でこそ、本当の意味での「つながり」が大切になってくる。これが黒須さんにとっての「山あげ魂」。伝統を守り続ける意味なんですね。

開催当日、市役所職員さんと観光協会会長さんの実況解説も交えながらオンライン配信がスタートすると、県外や海外のファンからたくさんのコメントが投稿されてきました。

当番町若衆が息の合った団体行動で舞台を設置。そして、常磐津の三味線と唄にのって、町の踊子が鍛練された美しい踊りを披露。全国でも類を見ない絢爛豪華な野外歌舞伎は画面越しとは言え、圧巻の一言でした。

外出の難しい昨今の状況で、全世界に向けてオンライン配信を実現できたことはこの先の継続に向けても大きな手応えとなったのではないでしょうか。

≫2021年山あげ祭り無観客開催の動画はコチラ

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炎天下の中でも徹底したコロナ対策

無観客開催において最重要項目であった感染症対策をここで確認しましょう。

①マスク着用
②ソーシャルディスタンスをとって食事
③各部署に体温計、消毒グッズ、紙コップを設置
④高齢者の参加を例年の3分の2に抑える
⑤上演回数を3割減
⑥関係者370人のPCR検査
⑦神輿を担がずに専用の台車で引く
⑧その他独自のガイドラインを作成

特に今年の開催にあたっては、決行するためにどんなことに気をつけて、新たに何を用意するべきなのか、徹底的に協議を重ねたそうです。

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※記念撮影のためマスクを外しています。

山あげ祭りの未来

コロナ禍での開催にも関わらず、感染者0という大成功の結果を残した黒須さん。

「2020年は中止、2021年は無観客という難しい選択が続きましたが、2022年こそはオンラインではなく生の山あげ祭りを楽しんでもらいたい」

たくさんの想いを噛み締めながら、そう語ってくれました。2年連続の中止を阻止し、一度こぼれ落ちたバトンを確かに繋いでみせた功績はとてつもなく大きいと思います。きっと人一倍山あげ祭りへの想いが強い黒須さんと、若衆の皆さんの力がそうさせたのですね。来年は山あげの熱狂ぶりをリアルで体感できることを期待しています!

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取材:2021年10月

※掲載内容は取材時の情報です。