イラストレーターひらたともみのママ友ランチ日記
vol.4 「下野農園」編
MENU:こだわり野菜ランチ…1,400円~
(サラダバー・前菜 or スープ ・メイン ・ご飯とお味噌汁 ・デザート ・飲み物)
10歩先に住む、ご近所ママ友Hさん
昨今、もっぱら作家ブームである。作家といっても、物書き系ではなく、手仕事ものづくりの作家さん。アクセサリー・布小物・ワイヤーアート・消しゴムハンコなどなど、作家さんには女性が多く、主婦を兼業しながらのママさん作家が大活躍している。
「なぜいきなり作家さんの話?」とお思いだろうが、今回お邪魔したレストラン「下野農園」は、そんなママさん作家たちの創造のスペースにぴったりだということを先に言いたい。
3月にリニューアルした店内。取材に伺ったこの日、モダンでかわいいおしゃれな個室では(要予約)、ランチ付でブリザードフラワーのお教室が開かれていた。「下野農園」といえば、地産地消をテーマにしたこだわり野菜をふんだんに使ったレストラン。おいしいものを食べながら、作家さんのお教室なんて、シャレオツすぎる♥
今回ランチをしたのは、ママ友Hさん。13年前、他県からわが家の10歩先に引っ越してきたのがご縁だ。子どもの年齢が近いこともあり、最初はお茶したり、子どもの誕生会に呼んだり呼ばれたりのお付き合い。思えばまだこの頃は互いの本性などみじんも出さず、二重、三重と得体のしれない皮をかぶっていたのだ。なのに!あれから13年~!(綾小路きみまろ風に!)
今やすっかり家族ぐるみで仲良しになり、家族対抗蕎麦打ち大会をしたり、元旦から餅をついたり、「のんびりしたいね♥」といいつつ、汗ダラダラかきながら夏山にキャンプに行ったり、「人の炊いた飯が食いたい!」と、夕飯自慢の宿を旅行したりと、年間のお楽しみ行事はほぼHさん家族と過ごしている気がする…。
図々しさは年々拍車がかかり、今じゃ食いかけのものでも「一口食べさせて」と卑しく手を出し、近所のよしみを飛び越えて、味噌、醤油なんて当たり前!トイレットペーパーや米まで借り合っている。その光景はおそらく昭和初期の長屋のようであり、東日本の震災の際も、生後まもなかった娘と次男の手をひいてHさん家族と合流し、近所中の小学生を迎えに行ったりして、安否を喜びあった。
気が付くと、Hさんはバーニャカウダを食べながら、息子が自分に性格が似ているといって、愚痴を振りまいている。Hさんには、真面目がゆえの「人生は白黒きっちりさせてマイウェイを歌って歩くべし!」という侍気質がある。私も似ているところがあるようで、Hさんと話していると、ガッチリ握手して激しく同意できる項目が多すぎ、いつも話が長くなってしまう。
13年前、「私なんてぇ~、なーんにもできることないから、仕事なんて無理無理~~!!一生、専業主婦かも~」とか言っていたくせに、今は英語講師として教室ももっている。当時、私は何をやってもしっくりこない自分に嫌気がさしていた。子育ても仕事もつまらなかった。たまに会う友人たちがキラキラ輝いて見え、ますます自分がくすんで見えた。そんな時、いつも通り軽く手をあげ「来月から英語教室始めるの!」とHさんに言われたとき、私自身のつまらないプライドとか、今までたじろいでいたことなど、すべてから解放された思いだったのを覚えている。
自分が元気になれる方法は知っていても、自分が元気になれる人に出会うことは案外難しい。子のため自分のためと、頑張って公園デビューしても一向に楽しめないこともある。ママ業を突き詰めると、重労働で案外孤独だということを知る。子育てはできるが「孤育て」は辛い。辛すぎる。
ひとつでもいい。ものづくりの作家たちがイキイキと作品作りに励むように、「私はコレ!」といえる“守り刀”があるといい。そして、ひとりでもいいから、腹を割り、互いのママ業を労えるママ友がいると、寄る年波に向けていろんなものが軽くなると思う。「心のデドックス」─これこそがママ友ランチの最大の魅力…♥殿方には永遠にわかるまい…(フッ)。
MAMA POINT
ママからの予約でいっぱい!
広々個室でリラックス~♪
3月のリニューアルで登場した、個室タイプの席が早くも話題!個室指定での予約は、ママたちからがほとんどだそう。扉を閉められるので、小さな子連れでも安心。お料理教室など、ワークショップを行っていることも☆いろいろなシーンで使えそうですね!
SHOP INFORMATION
「下野農園」(宇都宮市下戸祭)
栃木産の食材にこだわった、ヘルシーメニューがゆったり楽しめるコチラ。サラダバーもあり、野菜がたっぷり摂れると大人気です。お惣菜を販売している「とちぎのお惣菜 下野農園 宇都宮パセオ店」と「とちぎのお惣菜 下野農園 東武栃木店」も要CHECK♪
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ABOUT TOMOMI HIRATA
イラストレーター ひらたともみ
宇都宮市在住。1970年生まれ。20代、30代、40代で出産を経験し、二男一女の母。イクメンで料理好きな夫と5人暮らし。主に新聞、雑誌、WEBなどのメディアで活躍中。
著書:「これでいいのだ!働くかあちゃん」(中経出版)
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※掲載内容は取材時の情報です。