vol.11 「陽東豚骨　YOTON　ヨートン」編

イラストレーターひらたともみのママ友ランチ日記

MENU：YOTON…700円・CHIRIつけ麺…800円

25歳・19歳・17歳と3人の息子を持つ、ママ友Ｓちゃん

子どものころから“ラーメン大好き小池さん”に負けないくらいのラーメン好き。デパートの屋上で食べたしょうゆ味のラーメンも、母が出前でとってくれたラップのかかった味噌ラーメンも大好き。結婚し、家族が増えるたびに我が家のラーメン率はぐんぐん上昇。休日のお買い物ついでにふらりと寄るのはラーメン屋。「ちゅるちゅる食べるぅ～！ちゅるちゅる～」とかいってた息子も、今じゃ「替え玉お願いしや～っす！」とかいう歳。粋も甘いも知らないくせにラーメンのうんちくとか言いたがる歳。やっぱり、「背脂こってりだよなぁ～」とか、「●●は麺がさー」とか言いたがる歳。

そんな私同様、“背伸びしたいのー！俺はさー”的な息子3人（25歳、19歳、17歳）を持つママ友Ｓちゃんと、宇都宮市石井町の「陽東豚骨　YOTON　ヨートン」。落ち着いた雰囲気の店内で着席したとたん、止まらない中年太りの話に花が咲く。代謝が悪いとか、食いすぎだとかで盛り上がる。ザ・中年真っ盛り。

傍らでイケメンオーナーが、丁寧な商品説明をしてくださる。「紳士だわー、優しいわー、久しぶりに若い人見たわー」とかいう私に、『YOTONラーメン』が登場。Ｓちゃんには豆板醤の辛さが効いた、『CHIRIつけ麺』。自慢の豚骨スープは、豚と鶏が6：4。豚骨独特の脂っぽさがなく、さらりとした優しい味ながら、水炊きのようなコクとクリーミーさ！これなら中年の弱った胃腸にもイケるね！もちろん小さな子どもにも食べやすいね！うん。…とか言いながら、イケメンオーナーに他店のラーメン屋について質問する。

「あら、やだ～。よその店の話だし～♡」と言いながら、無料サービスだという、トッピングのにんにく・柚子こしょう・自家製からし高菜を加えてみる。おっ！これまた違う風味が出て旨いぞ！いいねー！いいねー！で盛り上がる、ザ・中年真っ盛り。スープの中にズン！と存在感があるのは2枚のチャーシュー。オーブンでじっくり焼き上げる焼き豚と、低温でしっとり仕上げる鶏チャーシュー！鶏ですよ？鶏チャーシュー！豚骨スープとの相性が最高にいい！もうね、絶句。んで、ほっこり。う～ん！ウマい！！

15年来のママ友Ｓちゃんは、長男が幼稚園時代からのママ友仲良し5人組のひとり。知り合いに頼まれ、しぶしぶ時々パソコンのデータ入力の仕事をしているようだが、基本的に結婚してからずっと専業主婦。今の世の中、小さな子もいないのに、自ら望んでの～「専業主婦」だ。「旦那が仕事しなくてもいいよーっていうし～♥」と15年間。耳にタコができるほど聞いた。長男、次男は就職し、「もうね、お金も手もかかんなくなった！」とほくそ笑んでる。妊娠期以外は毎週ソフトテニスクラブに通い、夏はかりんとうのように真っ黒に日焼け。

Ｓちゃんは「一滴も飲めない」のに飲み会はほぼ一番乗りに参加し、ヘベレケになったその他4人の送迎までさせられても、嫌な顔ひとつしない神だ！Ｓちゃんのおかげで、私を含むその他4人は安心して深酒。旦那の愚痴と痩せない、痩せないといって飲む酒は最高に旨く、毎度騒ぎすぎて「すみません。他のお客様のご迷惑になるのでもう少しお静かに…」とかお店の人に注意される。注意ですよ！この歳になってお店の若いおねえさんに睨まれちゃったりするんですよ。しかも一時間おきくらいに…（笑）

若いうちは子ども繋がりの関係を重んじすぎて、悩ましいことが伴うのが常。でも、わっせ、わっせと子どもを大きくし、泣いたり笑ったり、助けたり助けられたり、人間臭さ全開で付き合って行くと、いつのまにか＂ママ友＂という枠が外れ、互いになにかを成し遂げていった者同士の友人となっていく。

いつまでも「ももクロ」ならぬ「はらグロ」5人組、仲良くしようね！中年になるもの悪くないよ。うん。