「子育てハッピーアドバイザー」山本果奈さん×栃木県で活躍する子育てのスペシャリストによる対談。スペシャリストによるプレゼントもお見逃しなく♪
【最終回】宇都宮共和大学 子ども生活学科 学科長 高柳 恭子教授
目に見えるものより、目に見えないものを
果奈 今回はいよいよ「子育てHAPPYLESSON」の最終回。私の恩師であり、子育てハッピーアドバイザーになるきっかけをつくってくださった高柳先生にご登場いただきます。
教授 お久しぶりです。果奈ちゃんのご活躍はいろんなところで目にしていますよ!
果奈 ありがとうございます!先生は現在、「宇都宮共和大学」の子ども生活学科で、将来幼児教育に携りたい若者たちに教鞭を取られているんですよね。学科長ってすごいですね!
教授 私は現場が一番好きだから、会議が増えちゃうのは難点だけど(笑)。
果奈 こちらに来る前は、「宇都宮大学教育学部附属幼稚園」で30年以上幼児教育の最前線で活躍されていて、私と私の息子と2代にわたってお世話になったんですよね。
教授 果奈ちゃんは子どもの頃から元気でパワフルだったわね~。
果奈 先生のおかげで、のびのび個性を伸ばすことができました(笑)。息子のことで悩んでいたときも、先生のお言葉に救われましたし、先生には感謝の気持ちでいっぱいです。今回は、あの頃の私のように子育てに悩んでいるママたちに、アドバイスやエールを届けられたらと思っています。
教授 子どもの成長を〇〇ができた、〇〇ができないという、目に見えるもので測っていると、悩みが増えてしまうかもしれませんね。幼児期は、目には見えない心の育ちが大切なんです。
果奈 ママってつい、「〇〇ちゃんはできてるのにどうしてうちの子は…」なんて、他の子と比べて気にしちゃうんですよね。
教授 入園してすぐ「先生、うちの子遊べてますか?お友達とケンカしてませんか?」と聞かれるママがいらっしゃいます。でもね、幼稚園に入ってすぐお友達と遊べる子なんていませんよ。子どもには人タイプと物タイプの2タイプがあって、「〇〇ちゃんと遊びたい」という子もいれば、「〇〇で遊びたい」という子もいます。物タイプのお子さんだったら、お友達がいないなんて悩む必要はありません。誰かと比べたりせず、子どもたちがその子らしくのびのびと遊べていれば、それで問題ないんですよ。
果奈 なるほど~。物タイプのお子さんをお持ちのママは、今の言葉を聞いてすごく安心されたと思います!
教授 ケンカだってどんどんした方がいい。トラブルを含めていろんなことを経験することで、子どもの心は成長していくんですから。今、教育界では、“AQ“という言葉に注目が集まっています。IQ:知能指数、EQ:心の知能指数のようなもので、AQ:逆境指数と言います。逆境指数とは、どんな逆境に遭っても、ストレスを溜めずに対応できる力、落ち込んだときにすぐに立ち直れる力を指します。そして、このようなAQやEQなどIQ以外の力が育つのは乳幼児期だと言われているんです。小さいころに、失敗しても繰り返しチャレンジしたり、試行錯誤を繰り返した経験をすることで、AQが高い人間に育つのです。
果奈 お友達とケンカしたら、大人は体裁を気にして、とにかく謝らせて、なんならもう遊ばせないなんて対応をしてしまうことも。トラブルを避けるのではなく、乗り越える経験をさせることで、子どもたちの心が育っていくんですね。AIによって従来の仕事がなくなると言われていたり、大規模な自然災害なども起こると言われているこれからの時代、世の中で一番必要とされるのは、AQの高い人でしょう。
教授 本当にそうですね。親だけでなく保育者もですが、目に見えるものに振り回されるのではなく、子どもたちの心という目には見えないものに目を向け、その成長に心を砕いて欲しいと思います。
『うるっさいなぁ!!』が正解☆
果奈 忘れられないエピソードがあります。幼稚園の集会で、先生がママたちに、「『〇〇しなさい』と子どもに言ったとき、『わかりました、ママ』という子と『うるっさいなぁ!!』という子、どっちがママとして嬉しい? 」と聞かれ、手を挙げさせたんです。私を含め、ほとんどのママが前者を選びましたが、なんと先生は目指すべき方向性は後者だとおっしゃったんです!「前者の行く末は、ある大量殺人の犯人ですよ」と。
教授 そんなことあったわね(笑)。ちょっと衝撃的な例えだったかもしれないけれど、過干渉の親の元で、子どもが親の言いなりに育つことの恐ろしさを伝えたかったのよね。
果奈「 先生はどういうおつもりでおっしゃったんだろう」と調べていくうちに、“自己肯定感”という言葉にたどり着き、これこそが私が探していた答えだと確信しました。その頃の私は、子どもの問題行動に頭を悩ませていたのですが、それは私が子どもの自己肯定感を育てるという意味で正反対のことばかりしていたからだったんです。厳しくすればするほどいいと信じ、子どもの気持ちにまったく寄り添わず、あれをしなさいこれをしなさいと口を出す、まさに過干渉の親でした。
教授 それから果奈ちゃんは変わって、お子さんも変わっていったわね。私のヒントを受け止めて、自分を変えられるってすごいことよ。いくら伝えても届かない人もいるから。
果奈 よかれと思ってやっているママだと気が付きにくいですよね。私もそうでしたから。
教授 子どもについ厳しくしてしまうママは、もしかしたら寄り添うことへの恐怖があるのかもしれませんね。1度でも許したら、それが定番化してしまうのでは?という恐怖です。でもそこは、子どもを信じる勇気をもってほしいと思います。例えば子どもが幼稚園に行きたくないといったら、「そうだね、疲れちゃったよね」とその気持ちに寄り添って認めてあげる。そして「午前中はお休みして、午後からママと車で行こうか?」などと選択肢を見せてあげる。子どもには選択肢が見えていないことが多いので、大人が提示してあげる必要があります。子どもは自分の気持ちを受け入れてもらえたことで安心し、自然と前向きになっていくでしょう。
果奈 これは子育てハッピーアドバイザーとして学んだ、自己肯定感を育むプロセスと全く同じです。共感してもらうことで安心し、やってみようという意欲が湧く。その繰り返しで、ありのままでいいんだという自己肯定感が育まれていくんですよね。
教授 子どもは勝手に伸びていくもの。どの子にもちゃんと成長する力が備わっています。だから親がすべきことは、いろんな経験をさせてあげること。つまり、選択肢を広げてあげること。あとは、よく見ていて、褒めたり、励ましたり、ほんの少し背中を押してあげるだけでいいんです。
果奈 子育てって意外とシンプル なんですよね。心から一緒に楽しんで、心から一緒に悲しんで、子どもをしっかり信じて見守っていれば、ちゃんといい方向に向かっていく 。私もいろいろ遠回りしましたが、今は子育てを心から楽しんでいます。
教授 今、保育者になろうと頑張っている若者を教えていて思うんです、教育は繰り返すものだと。目の前の生徒たちをしっかり教育し、栃木の教育界に送り出すことで、その子たちに教えられる子どもたちがのびのびと育つことができるはず。ここに幼児教育の奥深さと遣り甲斐があります。そしてまた、子育て真っ最中のママたちに対する果奈ちゃんの活動も、本当にすばらしいです。保育者とママが変わったら、子どもたちも必ず変わります。栃木の教育界がよりよいものになるよう、一緒に取り組んでくれたらとっても頼もしいです。
果奈 尊敬する高柳先生にそうおっしゃっていただいて感無量です。子育てに迷うママが一人でも減るように、自己肯定感にあふれたママと子が一人でも増えるように、これからも草の根で活動していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします!
※1)子ども生活学部の学生さんたちと♪手作り教材のクオリティの高さににびっくり。
※2)自然に囲まれた長坂キャンパスには、近くの幼稚園生たちが遊びに来ることも。短大音楽科との連携も強く、幼児教育を学ぶには理想的な環境です。
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宇都宮共和大学 子ども生活学科 学科長 高柳 恭子教授
36年間、「宇都宮大学教育学部附属幼稚園」に勤務。その間、幼稚園や保育所の現職教員のための研修の企画や運営、保護者のための子育てサロン等に携わる。
現在、「宇都宮共和大学子ども生活学部」において、保育指導法、保育者論、保育・教職実践演習、教育実習等を担当。保育実践の経験を活かし、保育現場で見られる様々な子どもの姿を題材に、子どもの発達に必要な経験やそのための保育環境について研究。自らの保育や自身の子育ての失敗談などから、子どもならではのものの見方、感じ方、考え方を、世の大人たちに伝えていくことがライフワーク。
子育てハッピーアドバイザー 山本 果奈
15年間に亘る人事採用の仕事を通して、大人になってからぶつかる心の問題の深刻さに気付く。自身の子育て経験も重なり、人格形成における子育て時代の重要性を知り、幅広く知識を探求。現在、「アンガーマネジメント」や「子育てハッピーアドバイザー」の資格を獲得し、生きづらさの改善、自己肯定感の大切さを伝える活動をしている。
◇保有資格◇
アンガーマネジメントコンサルタント/アンガーマネジメント キッズインストラクタートレーナー/子育てHATマイスター/全米NLP協会認定マスター心理カウンセラー 他多数
◇研修、セミナー実績◇
茨城県教育委員会/富士ゼロックス株式会社/栃木県立のざわ特別支援学校/栃木県立国分寺特別支援学校/一般社団法人栃木県老人保健施設協会/ネッツトヨタ栃木株式会社 他多数
≫Facebookページ:「子育てハッピーアドバイザー」山本果奈
~最後まで読んでくださった皆さまへ~
2年間、24回続いた「子育てHAPPY LESSON」に最後までお付き合いいただきまして、誠にありがとうございました。2019年4月からは、「PREMIUM HAPPY LESSON」という参加型のセミナーを開催してまいります。毎月、様々なテーマをご用意する予定ですので、興味のある方はぜひご参加ください。皆さまにお会いできるのを楽しみにしております。
山本果奈
取材:2019年01月
※掲載内容は取材時の情報です。